前橋テルサの解体方針が、市役所の公式発表より先に民間の一タウン誌で報じられたという。この情報の出どころの不自然さに、私は何とも言えない不思議な気分を抱いている。行政と特定の民間資本の関係性はいかなるものなのか。

かつてこの場所には「前三百貨店」があった。地元の大きな期待を背負ってスタートした三越提携の百貨店である。当時は麻屋、赤かんばん、スズラン、丸井、十字屋、長崎屋、西武、ニチイなど、今では考えられないほどの大規模な店舗が立ち並び、街は熱を帯びていた。

しかし、現状は皆の知る通りである。中心商店街の役割は変質した。郊外を巨大な商業集積地が囲む今、中央駐車場地区の再開発こそ、真に不要な案件ではないだろうか。

前橋テルサは、不幸な生い立ちを背負っている。
かつての雇用促進事業団が予算消化のために全国に建設した施設の一つであり、事業団解体の際に市が押し付けられた形だ。目的が曖昧なまま建てられたハコモノは、使いこなすのに多大な工夫とコストを要する。

中央駐車場地区の再開発は、市と民間の役割分担が極めて不安定に見える。このままではテルサの二の舞になり、後年度負担はさらに膨れ上がるだろう。
今、前橋に本当に必要なものは何なのか。その審美眼が、今の市政に厳しく問われている。