奈良井宿への旅は3回目、前2回はともに自動車での行動だったのでさすがに列車4本乗り継いで奈良井の駅に降り立つ遠くまで来たことを実感する。
木曽の山奥であるがために残ったいくつかの中山道の宿場町も外国人観光客が道にあふれ、一方の時代の変化を感じる。いずれにしても日本になにがしかの期待を持って旅行してくるのだからまだまだ日本も捨てたものではないということだろう。
外国人が感じる日本の魅力というものを日本人自身がしっかり感じなくては外国から見ての日本の文化の低下につながってしまう。木造家屋はこちらに限らず腐朽や火災といった大敵との戦いである。この宿場町の建物の建築年代も江戸後期のものからで街道ならではの建築制限が緩くなった明治以降軒の高さが高くなって普通の二階家まで混在する。重伝建地区に指定されるのに伴って格子が付けられた家も多く中にはアルミサッシがのぞくが、蔀戸が付いたままの家もあり、オーセンティシーの面から考えるとこちらのほうが好ましいが寒さには全く無防備であり、現代の生活にはなじまないということで生活の場としての住宅としてはいかしかたないこと。過疎化がやはり進んでいるのであろう。観光客相手の商売だけでは生活も大変と思われるが若い人たちに何とか定住してこの地区を守っていってほしい。