今日は急に訃報が入り、急遽葬儀に参列。
以前の勤め先の先輩から上司であった五十嵐健さんの死去を伝えられた。

五十嵐さんは以前の勤め先の工事監理部長及び営業部長を歴任された。
設計事務所の社風はどちらかと言えばキザな雰囲気を貴ぶなかで現場監督を長らく経験されたあと入社されたことあり、少し設計スタッフとは異質な雰囲気を持っておられた。

設計室内では比較的おとなしく執務されていたが一旦現場に出ると水を得た魚のようにハツラツと、時には現場監督になりきってしまって、少々、手を焼いたこともあった。コンクリート打設の当日ともなると長身の体を作業着で包みさっそうと足場に立って自ら打設のコンクリート締固めに参加し、

手をこまねいて突っ立っている我々を叱咤し、現場の職人と一緒になってコンクリート打設に参加したものだった。

行儀にもうるさかった。ポケットに手を突っ込んでいたり、腕組みをしていたりすると普段寡黙な方がビシッと注意された。
その癖はなかなか抜けないもので無意識にその姿勢をとっていて五十嵐さんに叱られたことを思い出し、はっと姿勢を正すことがある。

一方仕事を離れるとお酒が大好きで夕方になるとお茶も飲まない徹底ぶりの酒豪でもあった。
研修旅行であちこちご一緒させていただいたこともある。下戸の自分には少々荷の重い相手ではあったが。
詩吟を吟じたり、お酒を飲んだりと、結構楽しんでおられたらしいのだが、退職されから長期間、闘病生活を続けておられたとか。
元気に我々を叱り飛ばしていた頃の、しかし優しい眼差しの遺影。しばし在りし日のことを思い出した。

合掌