若いころ(20歳代後半)、仕事ですごく大きな失敗をしてしまった。
先方にお詫びに伺ったら、私には一切の叱責は無く、上司がものすごい剣幕で怒鳴られた。
要はろくでもない部下に仕事を任せた責任を追求されたのだ。

「私は米田君に仕事を頼んだのではない。あんたに頼んだんだよ」その言葉が耳からはなれない。
デスクの上にはかつて陸軍の将校時代の制服姿が写った写真が飾ってある方だったが、兵隊の生死を預かる立場の責任からだったのだろうか。

自分が経営者の立場になって一層その言葉が頭からはなれない。

今、戦前から続く大きな研究組織で若い所員の処遇で社会的話題になっている時、その組織の長が見苦しく見える。
一所員の問題ではなく組織全体の責任が問われている。
優秀な経歴を持った集団の長が保身に走る見苦しさを理解できないことが理解できない。