
今日は事務所の定休日。定休日は日月曜日をいただいている。
もっともここのところほとんど日曜日は仕事の出張が入っていて曜日の感覚がおかしくなりつつある。
事務所の机周りを片付けたり、ほんのちょこっと自転車に乗ったりゆっくりと過ごした。
画像データが1998年ころから未整理のまま膨大な量になりサーバを圧迫し始めているのでこちらの整理もした。
15年にわたる画像には現場、研修旅行、単なる散歩、そしてロードバイクで出かけた記録、飲食の記録とよくこんなに撮ったものだと呆れるばかり。
地鎮祭の画像も繰り返し出てきた。
すでに他界された建築主も写っていた。
建築主の残された建築はそれぞれきちんと引き継がれている。
最近は修繕の相談も増えてきた。
そして先月の大雪。建築がある以上、建築主の方々との交流が続く。
地鎮祭では工事や土地にゆかりの神様方をお招きし工事開始のご挨拶をして工事の安全を祈願する。
奇しくも明日は3月11日。
荒れ狂った東北地方太平洋沖地震から3年目を迎える。
文字通り想像力をはるかに超える自然の力を思い知らされた。
臆面もなく「想定外」という言葉を繰り返す専門家と称する人々の言葉が虚しい。
「計算」と「設計」という言葉の違いを考える。
計算とは定型作業であり、設計亭とは非定型作業である。
過去の事例から引用された定数に盲従することではなく、想像力を巡らせる作業であろう。
基準値という言葉もおおよそ虚しい。
人間が勝手に津波の高さや震度を決めてはいけないのだ。
自然の力に畏怖の念を持ち続けること。
3.11は静かにこの事に思いを巡らせる日としよう。
Chiori Bekku
畏怖
「人間が勝手に津波の高さや地震を決めてはいけない」
グサっと来る言葉でした。
謙虚にならなくてはと自分を戒めています。
地鎮祭をしないで建築をなさる方もいらっしゃると聞きますが、土地の神様にお伺いを立てずに人間が勝手に家を建てるなど、私には恐ろしくてできません。
地鎮祭…自然に人間が平伏し、畏怖の念を持って家を建てさせていただく、重要な儀式だと思います。
Chiori Bekku
なんとなく、いい感じの場所
東京ではタワーマンションの建設があちこちで盛んですね。免震構造等最高の強度を売りにしている建物ばかり。でも、その強度は過去から現在までの経験値と予想値。それ以上のことが起こらぬよう祈るしかありません。
私には数学的な能力が欠けているせいか、隅田川沿いや埋立地のお台場界隈にタワーマンションが立っていることが不思議でたまりません。笑ってくださいね。
8年前、北区王子神谷のマンションに住んでいました。徒歩10分の隅田川沿いに散歩をしてみたら、川が道路より上を流れているではありませんか!真っ黒な大量の水がどーッと流れている!耳にしていたゼロメートル地帯だったのでした。ゾッとしました。計算上大丈夫だと言われても、数学の苦手な私には理解できない・したくない!前橋に生まれ育った私にとって、川は下を流れているもの、川はもっと細くて綺麗な色のものでした。
2年後三鷹市に転居しホッとしました。後で調べたら、隅田川氾濫などの際は水深6メートルになる地域でした。最寄り駅は地下鉄でした。
人間が安全な場所を決めるのもおごったことですが、「なんとなく、いい感じ」という力を感じた場所に住めたらなと願っています。具体的には前橋市の八幡さまの近く。10年前に暮らした、府中市の大國魂神社の近くも「なんとなく、いい感じ」でした。
masao
想定外
基準が想定外であったと正当化することは専門職として非常に苦しい言い訳です。
個人の技倆の限界があまりにも低いとはいえ、ひとつひとつ丁寧に考えたいものです。
臆病であって良いとも思います。