前橋美術館の外装が見え始めた。
この美術館は公立の美術館が一つもない前橋に初めて出来るはずであった。
前市長の時代に企画され、新市長は選挙公約で建設中止をを訴えてはみたもも結局中止できないとして使用目的を変更して工事継続となっている。
新市長は無駄なことととらえていたようで今は違った目的での使用を模索中だ。

この新美術館の設計は公開コンペで選ばれている。
建築は外部デザインと内部デザインとは一体的に構成されているはずだ。
内部の構成も決まらないまま出来上がりつつある外観。
白いパンチングメタルで既存の外壁を覆って猥雑な市街地と隔絶させようとした意図かもしれないが、空虚なものに映ってしまうものだ。
一方建設工事が大きな利権に関わる。
首長選挙の結果で工事が変更された例、太田市、邑楽町、そして前橋市。

もともとこの建物は西武系のテナント店舗ととして坂倉建築研究所の設計により建設された建物の改修工事である。
箱物行政と揶揄される折、遊休施設を中心市街地に人を呼び戻そうとする目論みは決して間違ってはいなかったと思う。
県立近美の高崎や、館林のように立地に恵まれているわけではない。
しかし市民生活に密着下した商店街で開館すれば死蔵してある美術品にも陽が当たるところだった。