事務所では正月、GW、お盆をそれぞれ冬休み、春休み、夏休みと称して集中して休暇をいただいている。
それぞれ1週間程度とはいえ充分欧州くらいいってこられる期間だ。もっとも運賃が一番高い時をねらっていくには勇気がいるものだが。

今年の連休はあれこれ計画を立ててはみたもの2、3、4日と仕事が入った。もっともこの3日は天候が安定せず、かえって出かけなくて良かったかもしれない。

まがりなりにも組織の代表者としては休日とは事務所に出勤しなくてもよい日と考えるべきであろう。
まして建築の設計の仕事は片時も頭の中から離れないものだ。アイデアと思い付きは紙一重、すぐまとまることもあれば何日かかってもまとまらないこともあるし、ディテールの詰めはいくら考えてもきりがない。
設計監理料について国土交通省からは所要時間に経費単価を掛けて算出するように言っているが、時間を気にしながらやっていたのではまとものものはできはしない。
と言いつつも経営を考えればおのずと限度がある。もっとも役員報酬という定額の報酬であればタクシーのメーターのように金額が増えないので好きなだけ仕事をしてもよいのだ。

事務所を始めてまだまだ軌道に乗らないころ、仕事もないのに仕事がきたらこうしようああしようと国内外の建築を見て回ったものだ。
雑誌ではわからない実物、感激したり、がっかりしたり。貴重な経験であった。これは今でも自分の大きな財産だ。
このことに費やした時間を金銭に換算しても意味のないことだろう。そう、建築が好きなのだ。

この連休は自転車で一泊で長野、日本海方面に単独走を試みた。二度上峠、鳥居峠経由で上田に投宿、翌日は千曲川沿いに飯山まで下る。飯山でタイヤが損傷し、あえなく列車で引き返すことになった。千曲川の河畔は菜の花、桜、桃、林檎と様々な花が咲き、群馬では味わえない景色だった。自転車の魅力はやはり行動半径の広さであろう。自動車のほうがもちろん広いが、自分の力の限り移動する感覚はとても気持ちの良いものだ。

5月2日は親しくさせていただいている先輩のご自宅で酒を飲む。いつも自ら料理を作ってくれる。
ついつい楽しみで出かけてしまうのだが、建築を肴にとりとめもない話が続き、真竹のころに再度宴をということになった。

還暦とはいえ、すこぶる健康体である。いつまでも楽しい休暇であってほしい。