
今日はJIA支部住宅部会の納会で上京する。
しばらくぶりに住宅部会に出席したのだが、今回はどうしても参加したかった。
Facebookを使い始めて普段会わない部会のメンバーとかえって情報がつながりあらためてがあるが直接会って話がしたくなったのだ。
しかしJIAのメンバーとはそんな気安い関係ではないことを思い知らされる。
丹下健三を初代会長とし、そのルーツは辰野金吾にさかのぼる伝統ある組織なのだ。
当然、日本を代表した建築家が所属し、また現在も活躍中の会である。
内輪話では当然、ほほえましい話題まで出ることはあるがあくまで日本を代表する建築家の会である。
なぜそんなたいそうな会に所属できたかというのは幸運としか言いようがない。
設立時の群馬県の幹事が当時の勤務先の所長であったため所員を会員に推挙していただいたと言う経緯があった。
現事務所を開業したとき退会も考えたのだが、せっかくの縁であるのでとどまることにした。
まず県内の会員との交流が始まった。自分より早くから開業されている先輩方である。建築家としての力量は勿論、人間的にもたいへん魅力のある多くの方と知遇を得ることが出来た。
また「JIA建築セミナー」への参加で外苑前の建築家会館に一年通った。非常に豪華な顔ぶれの会員が講師をされ、目からうろこの連続であった。そして東京都地方の距離感を確認した。
群馬の代表を二年務めた。ここで他地域会の多くの会員の方々を交流を持つことが出来た。もっとも県内をまとめるにはほとほと手を焼いたこともある。それぞれ事務所の代表者である。プライドとプライドのぶつかり合いもあった。
そして現在は主に住宅部会を通じて参加をしているのだがこちらも古参のすばらしい先輩から元気いっぱいの若い会員まで多士済々である。
Facebookで近々のオープンハウスの招待を同報通信してしまったら、ある会員から是非伺いたいと声を掛けられてしまった。一瞬しまったと思った。
オープンハウスは住宅メーカーなどが顧客獲得を意図してイベントととして行っている。
もちろん私たちの中にその気持ちがないと言えばうそになるだろう。
自分が始めてオープンハウスを行ったのは「風の家」であった。
住宅の設計を続けてそろそろ外部に発表しても良いかなと思い、おもに同じ建築設計に関係する人たちを招待し、少し自慢し、しかし素直に講評に耳を傾けようと思ったのだ。
開業五年目に「建築展」を開いた。ありったけの資料を並べ臆面もなく夢中で開いたものだ。
以後建築の表現者として「見られる立場」を守ることに腐心してきたつもりだ。
只直接の顧客を満足させれだけでなく、客観的に建築家を含む社会の評価を受けなくてはならない。
当然、逆に自分より優れたものの存在をいつも意識して行く事も大事だ。
今日オープンハウスに来たいといっていただいた会員は、とりあえず米田がどんな仕事をしているのだろうと言う気持ちにすぎないのだと思う。しかしこのような関心をお互いに持つことは重要なことだ。
まだまだ私たちの事務所は多くのかたがたの示唆に耳を傾け、創造の広がりをもたねばならない段階であることを自覚する必要がある。
謙虚であること、そしていつも好奇心を持つことこの会員から教えられたような気がする。
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