麻屋の解体が進む。
ぽっかりと空。

過去の記憶を失うと今の立ち位置も見えにくくなるものだ。
小学校区には町名変更前、小さな町がいくつもあった。
桑町、紺屋町、榎町、小柳町、竪町、連雀町等々。

昔の街割は道路を挟んで左右にあったが新しい区画は道路に囲まれた形である。
ここで町に住む人の関係がまず破壊されたと思う。
街中では土地と建物の所有が違うことが多い。

商店街の後継ぎは郊外から通うようになる。
老人が去ると空き地になる。
この繰り返しで急速に過疎化が進んでいった。

取り壊された商店は麻屋に限らない。
丸井、長崎屋、十字屋、ニチイといった県外資本から映画館までどんどん消えていった。

あたらしい商店建築も出来た。西友のように短期に撤退し、いまは中央公民館となっている。

いずれにせよ流動化した地域はどこに向かうのだろう。