鮫島有美子のCD「ともしび」を聴く。一曲目の「鶴」という曲、初めて聴いたが良い曲だ。
ロシア民謡を集めたアルバムである。日本の民謡とは異なりロシアの歌謡曲といったほうが早いかの知れない。
昭和40年代はまだ歌声喫茶があちこちにあった。またソビエトに光があった時代。実際にはシベリア抑留やスターリンなどの残酷な独裁政治など今になるととんでもない国ということになるのだが。
知識人といわれた人たちは戦争中の反動で社会主義にシンパシーを持っていた時代だ。ソビエトの成立そのものはツァーリズムへの対抗する市民革命であるが結局現在のプーチンのようなところに落ち着いてしまった。
歌声喫茶ではソビエト由来の曲が訳詩され多く歌われていた。このアルバムにもその当時知った多くの曲が収められている。
鶴という曲は一般に知られるようになったのは1968年ということだからかつてのロシア民謡とは出自が幾分異なる。
ロシアであれば白鳥が浮かぶがこの鶴はなんと日本由来なのだ。広島で被爆して12歳で亡くなった佐々木禎子の千羽鶴にちなむという。
このアルバムの他の曲も戦争にちなむものが多い。それだけロシアという国と戦争と切り離せない国のようだ。
今もウクライナに攻め入って多くの人の血を流している。
西欧型の民主主義の後退が伝えられている。日本は敗戦によって連合国から伝えられたシステムとしては民主主義を標榜しているが、敗戦後80年近くたち社会が固定化し階層分化がはっきりしてきた。
裏金問題はその特権意識がなせるものであろう。脱税という醜態は勤勉で真面目といわれた日本民族のなせることではない。倫理観の低い層には退場してもらいところだが右も左も口先だけのウソばっかりの選挙公約。困ったものだ。
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