5月も下旬。前橋の郊外は借入前の麦畑が黄色に色づく。かつてはその場で焼却していた時期がありその頃は煙があちこち立ち上っていた。
「麦秋」という同名の小津安二郎監督作品を思い出す。戦後間もない北鎌倉や丸の内、飛鳥と興味深い場所設定である。
中流階級以上の話だが今以上に「品」ということを感じさせてくれる。

コスパやタイパというような言葉が示す現代のまるで懸命に働くことをあざ笑うかのような風潮。ハラスメントという言葉から受ける窮屈さ。敗戦から立ち直るのに懸命だった日本人はどこに行ってしまったのだろうか。
と、中途半端な戦後派は思うのです。