門司港駅はずっと訪れたかった駅だ。終端駅は、結節点としての役割をことさら強調する。東京では浅草駅、小田急新宿駅も終端駅ではあるが、新宿駅全体の喧騒の中ではその存在感は薄い。
今年は念願の一つであった阪急梅田駅を訪れることができた。阪急マルーンがずらりと顔をそろえるシーンは、鮮烈に記憶に残る。

門司港駅はもともと九州鉄道の終端駅。
本州側への連絡船や、大陸・欧州航路の船舶が出入りする陸と海の一大ターミナルだった。現駅舎が建設された1914年ごろ、駅の周囲にはそれを取り囲むように、赤煉瓦をはじめとするモダンなビル群が建ち並んだ。

しかし、昭和17年に関門トンネルが開通して本州と九州が直接鉄道で結ばれるようになると、列車は新設された門司駅(旧・大里駅)を経由するようになり、ここは本線から外れた。

九州の玄関口としての「通過点」の地位は譲ったが、それでも終戦までは相変わらず大陸との窓口であり続けたことに変わりはなかった。
現在も、かつての長編成を受け入れた長いプラットホームや留置線は健在だ。華やかだったころの熱気は、今の長閑なホームからは想像しにくいが、気高く立つ駅舎がその往時を雄弁に物語っている。