惜別の想い。若くして旅立った友へ
自分より若い者がこの世を去るのは、ことさら寂しいものだ。長年の友人が旅立った。

彼との出会いは、今から40年以上前になる。敷島公園近くにあったコーヒーショップ「アップル」で彼がアルバイトをしていた頃だ。当時の彼の自慢は、鮮やかな「赤の510ブルーバード」だった。
その後、彼は系列の「スコッチハウスアップル」のカウンターにも立つようになり、以来、我々の付き合いは40年以上にわたる長いものとなった。
付き合いといっても、家が近所ゆえ道で立ち話をしたり、「アップル」で彼と好きなお酒を飲みながら世間話をしたりする程度の交流である。しかし、その憎めない性格と、どこか飄々とした佇まいが私は本当に好きだった。
彼は有力企業に入社以来、一貫してその企業に勤務し続けた。真面目で誠実な社会人としての顔を持っていた男である。
その彼が、Facebookで自らの病状を明かし、闘病生活の一部始終を伝えるという、実に気丈な振る舞いを見せた。積極治療をやめ、自宅へ帰る選択をしたこと、そして最期には病床から前橋祭りの行列を見送ったことまで、克明に公開していた。
まさかこれほど急な知らせになるとは思わなかった。長年の勤務先を退職したばかり。一つの大きな仕事を終えたとはいえ、これから老後の楽しみを享受するはずだった。さぞ無念であったろう。
心より彼の冥福を祈る。
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