山梨智彦さんは日本で最も大規模な建築設計事務所の建築家である。大規模な事務所は建築家といえども組織に埋没してなかなか顔が見えないものだ。
今日の講演は大規模な作例が中心であったが取り組みは建築家個人の職能を最新のICTを使いこなした見事なものだった。

公演終了後聴講した学生から「ICT」が発達すると建築家は必要とされなくなるのではというような質問に結局ICTを使いこなすの建築家の仕事は本質は変わらないが仕事の内容は変わっていくだろうとの回答。
また学生時代BIMなどの勉強をどうしたらよいかという質問には学生時代は建築史をはじめ古典にもふれることが重要で実務の世界は先に言っているので社会に出てから学んでも間に合うとの回答。

建築士試験が実務経験なしで受けられるようになるなど変わるらしいが学問としての建築を深化させることなく受験勉強に終止したらもう建築家を養成するシステムは崩壊するのではと危惧していたことと符合するようだ。
また挨拶の中で講演依頼はなるべく断らない。なぜならプレゼン資料を作る過程で仕事を見直したり新たな発想が生まれることがあるからだと言われた。多く示唆を頂いた講演会であった。

また明日は北関東甲信越JIA学生課題設計コンクール、卒業設計コンクール。審査委員長に山梨知彦さんを迎えその他いずれも学外の建築家による審査会が前橋工科大学で開かれる。
どんな作品が集まるか楽しみである。恒例の初日総本店での懇親会では旧知の各地域の建築家と旧交を温めることも出来た。