3月が終わる。週末はJIAの学生作品コンクール。若い人の未熟ではあっても柔らかい頭脳の魅力に触れる機会でもある。
2006年に他県地域会に声をかけ北関東甲信越が連携し開催を続けてきた。関東甲信越支部の行事でありながら「北」がつくところがミソ。
東京、埼玉、神奈川、千葉と首都圏を除いた地域に限定しているのだ。それぞれ未だ独立した、文化、経済圏を持っている地域は一方で首都圏ほど恵まれていないことも少なくない。

首都圏と地方の格差は開く一方である。人工の一極集中がそれを物語っている。しかし人間等より生物としてどちらが恵まれているだろうか。全て換金できないいきものの暮らしがそこにある。若い人にもそこの変にぜひ気がついてほしいと思うのだ。

群馬生まれと言っても前橋という地方都市の中心部で育ち、土に触れる機会もどんどん少なくなった時代に育った。同時期、山や川で獲った獲物や飼っていた家畜を自分の家で処理して食べることなど農家では普通にある光景だった。昨今は魚は切り身で泳いでいると思っている子供もさえいるらしい。命をいただく本質を見失うことがリアリティのない生活感を生み出していないだろうか。地方と言われる地域で育ち学んだ学生がどんな世界観を持っているのか気になるところではある。