
いよいよ年度末。区切りをまた一つ迎える。3年にわたる仕事もあともう少し。
終わってみればあっけない。まだ準備中の室内は静まり返っている。
館内を歩きながらふと「会計検査」のことを思い出した。
「会計検査」とは「会計検査院」の検査で国の予算が正しく使われたかを事後に調査して回るものだ。
前職は公共団体の仕事がほとんどだったので数年おきにこの検査に当たった。
地方公共団体が工事をする時、国からの補助金の交付を受けて工事をすることが多い。
この内、定率補助と定額補助、及び全額補助がある。「定率補助」というのが曲者で支出に不適切なことが見つかると補助金比率に応じて補助金を返還しなくてはならない。工事規模算定の前提となる人口がたしかに存在したかとか、工事代金の支払状況、鉄筋量の積算根拠が適切かどうかという技術的な調査まで多岐にわたる。不正があれば当然時期以降の交付に不利になるので担当職員は真剣だ。検査員は食事などの便宜は一切受け付けない。追加資料があればその日のうちに宿泊先まで届けろということもあった。
と大阪の小学校のことが頭に浮かぶ。
「李下の冠」という言葉を祖母から教わった。正しくは「李下に冠を正さず」で「人の誤解を招くような仕草をするな」ということだ。
李とはスモモのことで実がなっている下で冠に手を伸ばせばスモモをとろうと思われても仕方がないという故事から来ている。
日本の高潔な精神を謳うにはあまりにも品性に欠ける。「瑞穂」などという言葉を軽々しく口にしてほしくない。
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