JIAが主催する学生設計コンクールのうち、前橋工科大学の卒業設計コンクール予選の審査に加わる。
学内の先生方とは違った実務者の見た目からの審査となる。
2006年からは本審査を関東甲信越支部(新潟、長野、山梨、栃木、茨城、群馬)の6地域会と共催で下級生の課題設計コンクールと合わせて行なうようになった。

作品は前橋の市街地を想定したもの、出身地を想定したもの様々だったが学生らしいユニークな視点のものが多く、日頃現実的な対応に迫られている実務者である我々に忘れかけていた何かを思い出させ、少しこちらも元気をいただいたような気がする。

建築系分野は専門的に分化しつつあり、全ての学生が卒業設計を製作するのではないそうだが建築家を目指す学生には通過儀礼のようなものである。学生にとって卒業設計は特別の意味を持つ。建築の設計という行為が全人格的なものであるならば20数年の生きてきた軌跡を表すものでもあるからだ。

審査は7名の群馬地域会会員が当たり、まず学生から趣旨説明を受け質問をするという形式で図面を読み込み、採点し、上位3作品を選び、続いて再度読み込みし、3作品、計6点を本選に送ることにした。
日頃様々な表現を試みるJIA会員だが意外と採点が集中するもので誰が見てもよいものはよいということか。
ただし、プログラムもさることながら建築表現の良し悪しにこだわってしまうのが実務者たるところである。
3月19日の本選が待ち遠しいが、裏方で段取りに当たった伊藤昭博会員はじめスタッフの方々の労苦に感謝したい。