「ヒゲグマ」さんのブログで「ゑびす食堂」の閉店を知る。
旧消防署と日銀の間の道を関口病院へ向かう坂の入口にあった。実はこの店に行くようになったのはここ3年ほどだった。近くてもなかなか縁がなかったが店の雰囲気にひかれ暖簾をくぐった。

国道50号線と17号線の分岐に当たる交差点にはレンガの外壁の協和銀行があり、その隣には木造の火の見やぐら。日銀のところは原っぱでサーカスや大相撲の巡業が来たりした。そんな時代の面影を残す店もとうとう閉店。裁判所の通りもまた少しさびしくなる。

角が調理場になっていてガラス戸越に惣菜の揚げ物を売る一方、店内には7卓ほどのテーブル席があり、昼時は近くの役所や事業所の勤め人でにぎわっていた。揚げたてのとんかつをほうばると「ちょっとカロリーオーバー」な感じが午後仕事をするぞーという集中力を高める。お客さんも仕事場の緊張感を漂わせながら煙草の煙もものとせず食事。

近年チェーン展開する外食産業に押され、個人営業の店は少なくなる一方だ。後継者が育ちにくい世相ではある。
仕事柄昼食は出先でとることが多い。個性的な地元の店を捜すのも楽しいものだ。

手作りの食材を供することが必ずしも効率的ではないことはわかるが、口に入れるものだ。心をつなぐものであって欲しい。