「戦後日本住宅伝説ー挑発する家・内省する家」展、最終日に観た。
館内コンサートを開いていて、ビデオ説明の音声が全く聞こえない展示もあり、やや美術館の姿勢を疑う。

自分の建築人生と同期する作品ばかりで届いたばかりの「新建築」に目を見張ったものの多い。
すでに評価の固まったものも有ったがいつも頭の片隅に有った住宅ばかりだ。
解体されているものもあるが移築されなお使用されているものや、所有者が変わっても住み続けられているものもある。
いずれにしても流れた時間の長さに思いを馳せる。

戦後を代表したそれぞれがどれほど現代の住宅に影響を与えたか興味深いものがある。
大多数を占める住宅メーカーなどの商品住宅はそれらとは無縁のユーザーの要望に寄り添って作り続けている。
その意味で戦後の代表的な住宅を考えるときこの展覧会はやはり建築界内部の閉鎖された視界なのかもしれない。

多分、「住宅作品」というのは極私的なところにのみ存在するのかもしれない。

関連ホームページ
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=292