今週末、4月13日、14日と「ひかりの家」オープンハウスと称して住宅作品の発表会を開く。
まずは入居前の新居を外部の方に公開をするという厚かましいお願いを快諾していただいた建築主に謝意と敬意を申し上げたい。

オープンハウスという発表会の場合、多くの条件が整わないと開催することが出来ない。
まず、建築主の承諾がいること。完成に至るまでトラブルなく、かつ期待以上のものが仕上がらねばとても承諾いただけるものではない。
また入居前の公開を厳に嫌う建築主もおられる。当然のことである。こちらも会場運営には細心の注意が必要となる。
工事の遅延も心配なことの一つだ。竣工から入居まで様々な理由で時間が取れないことのほうが実は大きい。
その意味で今回のオープンハウスは次第点に届いたかなというところだ。

オープンハウスの準備は竣工の2カ月前から始まる。
担当者はオープンハウス開催へのハードルをいつも意識しながら現場監理に当たらなくてはならない。
正直普段見過ごすような些細なことまで気になるものだ。
今回は建築主の床の塗装まで立ち会った。床に肘をついて舐めるように床の状況を見ながらの作業だ。
しかしこれらの経験が次の仕事の集中力を高めるのに非常に大きな経験となる。
開催中は朝から晩まで現地に詰める。ほぼ住宅の一日を体験できる時間でもある。
ここで設計意図が正しかったかどうかじっくり反省できる場でもある。

今回も多くの専門家の皆様をご招待した。
日頃気が付かないことをお指摘いただければ幸いだ。

私たちが作品と位置づける建築の設計行為だが当然所有者である建築主の意思のもとその具現化と深化をお手伝いする行為である。
初めて作品展を開いたのは開業後5年、本音でいえば良く5年館持ったなというのが実感で、それでも現事務所が当時画廊であったころ写真や模型を集めて開催した。
このとき友人の紹介で撮影をお願いしたのが現在に至るまで主要写真を撮影していただいている齋部功さんだ。
撮影に立ち会っていてプロの撮影に対する強烈なこだわりというのを感じるとともに「みられる建築」ということを初めて実感した。

なにせ齋部さんは名だたる建築家の作品を撮影している建築写真のプロである。
そのプロがファインダーを通して見ている画面に映る我が作品、
ものすごく恥ずかしくなった。
自分の立ち位置を理解せず撮影をお願いした後悔とともに次の作品展までには胸を張って撮影をお願いできるようになりたい。
この思いはその後の設計態度の微妙に影響したと思う。
事務所のブランドイメージの安定化のためにもなんでも建築主の要望に沿えないこともある。
そのことによる仕事の停滞も覚悟しなくてはならない。

そんな懸念もおかげさまで良いほうに外れ、群馬県の住宅設計コンクールではたびたび入賞を続けるようになった。
その後「風の家」「響きの家」「里山の家」「北郊の家」の現地発表会、2011年の20周年記念作品展、2012年「つづく家」現地発表会と開くことが出来た。
これらの機会が事務所に質の向上につながることを願って明日からの会に備えようと思う。