
作品4 下細井の家 2001年 前橋市
前橋市郊外の住宅団地に建つ住宅。
既製品住宅が立ち並ぶ一角にあり異彩を放っている。
築後10年がたとうとしているがますます存在感を増している。
「2002ぐんまの家」設計・建設コンクール選考委員長講評
施主さんの趣向や設計者の個性、施工書の技術力が結集された作品が多く、いすれも力作ぞろいでした。
審査にあたりましては、建築主の要望や敷地の条件が、いかにうまく設計に反映されているか、また実際に建設においては、施工者が建築主及び設計者の意向をくみ取り、工事を慎重に、また丁寧に行われたかなどにつきまして、総合的に判断させていただきました。
群馬県知事賞の「下細井の家」は、前橋市の下細井団地にあります。この住宅は様々な住宅が建ち並ぶ中にある和風住宅の中でも、通りに沿って庭を配し、植裁を取り入れた外観はその周辺にない、優れた景観を造りだしています。
この建物の特長は、流れの多い屋根にあると思われます。形状の主は日本瓦葦切妻造りでありますが、起りを付けた事により、全体に柔軟な外観に仕上がっていると思います。
通りより建物に向って左側の土塀調の屋根又その奥の玄関までを取り入れた一文字葺の土廂的な屋根は軒を低く深くする事により、素戸を通して玄関入口までの懐を一層深く感じさせます。
又通りからは庭の植栽を透かして垣間見える居間、寝室に至るまで自然素材を多用して建築主の健康面にも十分配慮を行なっているのが伺えます。
庭を挟んで右側の駐車場入口については、内壁部に打放しコンクリートを使用し仕上がりの表現を変えたことにより庭の植栽が通りの中に入り込みこの住宅全体の景観を一層良く演出している様に見受けられます。
今回の入選作品の中でも設計、施工共特に優れており知事賞にふさわしい住宅であると思います。
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