
作品1 大手町の家 1994年 前橋市
事業から引退後の家として静かな住宅地に建てられた住宅。
間口が狭く奥行きが深い京都の町屋の様な敷地を生かすため中庭を設け市中の喧噪を忘れさせる静かな空間となった。
和の様式が濃いたたずまいは年月がたつに従い落ち着いた表情を見せる。
街中で長年商売を続けた建築主とは長年の付き合いだった。もともと前橋でも有数の呉服屋の家系であり庭には当時棟に上がっていた大きな鬼がわらがそっと置かれている。
家を建てるにあたり要望されたことは伝統的な日本家屋の様式をもつ住宅である。
あちこち住宅を見学に歩いた。結局京都で投宿した炭屋旅館でプランの方向が決定した。外観の特徴はむくりの付いた瓦屋根である。
当時はまだ手書きの図面の時代である。書いたり消したり、ためらいの跡など原図からうかがえる。
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