
今回の旅行で唯一現代物が金沢21世紀美術館。
この建物には美術館に入ったときの独特の高揚感が無い。
クラシック音楽のシンフォニーのダイナミックレンジの広さと現代のポピュラー音楽の単調さとの対比にも似ているのかもしれない。
北国の町をガラスの器でくるんだかのようなつくりは祝祭空間ではなくまちの道路の交差する街角のイメージをもつ。ただひたすら平板な天井と床。限りなく細い柱
。
しかし施工精度は設計者が意図した無機的な空間を構成するに必要なレベルに達していないし、天井パネルのひずみはあきらかに空間の質を低下させている。視覚障害者用の誘導標識ばかり目立つ床はひびだらけ。
これも設計者の計算のうちであるならば意図したことはいかなるものなのだろうか。都市の猥雑さの現代美術的表現だったのだろうか。
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