新潟県中越沖地震被災者支援に日本建築家協会の会員4名と参加。
阪神、中越、に続き三度目の参加。
危険家屋の復旧活動支援のため現地スタッフといっしょに赤紙表示の家に出向き、
1.今後の改修方法
2.ボランティアの家財道具搬出のための家屋内立ち入りの可否、及び応急処置の相談。
についてアドバイスを行なった。
震災はあっては困るのだが、支援活動はだんだん組織的に充実してきている模様。
多くのボランティアが集まっていた。
担当したのは古い民家で、壁量が不足していて、変形をまぬがれなかったものの、柱が積雪の対策のため太かったので接点破壊を起こさず、倒壊を免れていた。
筋交いが面外座屈により破断していたが、外壁の石膏ボードが面材耐力壁の役目を果たしていた。
関東大震災以降に積極的に使われるようになった筋交いは一方応力集中により、接点破壊を引き起こし、倒壊にいたる原因になっていることは阪神でも見てきたが、ここでは筋交い破断により倒壊を免れるという皮肉な結果になっていた。
もっとも破断に至るまで、がんばっていたわけだから、役目ははたしたわけで、建物全体の土壁の靭性が後を引き受けたということか。
一方すでに柱脚そのものが腐朽していて、地震が来なくとも危険な家屋があった。
損傷を受けていたが、基礎が低く、土台や柱脚が湿度の影響を受けやすい工法が建物全体の寿命を短くしている。柱脚の腐朽対策は重要だ。
いずれにせよ、健全な家の隣で全壊している家屋があるのを見るのはつらい。
震災の教訓を取り入れ、一見過剰設計のような対応をしているが決して無駄なことでは無いと実感した。
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