大阪へ安藤忠雄展を拝見に伺う。昨年は父の逝去や自身の手術入院のため泊りがけでの旅行はできなかった。今年こそはと機会をうかがっていたところ、安藤忠雄展が始まったので早速出かける。安藤忠雄の作品群もさることながら改めて生き様のすさまじさを学ぶ。
それと共に大阪で見たい建築のいくつかと、欲をかいて金沢にも足を延ばすことにした。
それとなんといっても大阪梅田駅の雰囲気を味わいたかったのでこれも一緒の行程に組み込む。
大阪では滞在時間8時間足らず。慣れない道筋を大急ぎ廻った。この年では少々無理かな。帰りは日本海ルート、開通したばかりの新幹線。それに乗り継ぐ湖西線経由の特急。
金沢では谷口吉郎、吉生親子の建築、がぜひ見たかった。とくに「鈴木大拙記念館」が印象に残る。一部のすきも感じさせない緊張感がありながら一日中池を眺めていたい静かな空間、今更ながら「禅」というものに興味がわいた。
建物は兼六園につながる公園の一角にあり、旧陸軍の庁舎や将校倶楽部を利用した「日本工芸館」に立ち寄る。今回はもう疲れていたのでここからタクシーで浅野川大橋のたもとに移動。月並みだが東茶屋街をながし、おやつを頂き、徒歩とバスで金沢駅に戻る。

今年は桜の開花が遅れていて、何とか満開の桜に出会うことができた。金沢を舞台にした映画があった。「いのちの停車場」である。父を送ったばかりの自分には少々重たい映画だったがなにしろ吉永小百合主演、広瀬すず、石田ゆり子、西田敏行、泉谷しげる等々大好きな俳優が出演ということもあってロケ地を後追いしてみたくなった。
主計町(かずえ)茶屋街を夜訪ねた。あいにくの春の雨。細いくらやみの路地に格子からこぼれる灯り。ずっと昔の戻ったように錯覚させる空間。元茶屋で一見でも受け入れてくれるBar あさ見小町でひと時を過ごす。
一人旅の時は地元のバーに行くことが多い。今回は片町の「こはく・バー」による。地元っ子のマスターは気さくな人柄で話していくうちに前橋にも知人がいるとか。名刺を預かり、近々訪ねてみようとと思う。
北陸は私鉄が多く乗れれば楽しいのだが時間がない。北陸鉄道の浅野川線に撮影ポイントまで乗車しまた引き返す。さすがに疲れたが久しぶりに自分だけの時間を堪能できたことは何より。出かけられるうちにまた前橋を抜け出そう。細部は忘れないうちにじっくり整理をしよう。