槙文彦氏逝去の報が駆け巡る。
代官山の集合住宅の建築の豊かな表情は若いころずいぶん影響された。
日本的な臭いがしないが決してけばけばしくない上品な空間に魅了された。

何度も拡張されるたびに旧山手通りを訪れた。アントニオというレストランも訪れることができた。
その後発表された数々の作品も拝見することができた。

JIAの行事などでも幾度かお見かけしたが紺のブレザーにレジメンタルタイのいでたちがさっ装置していて若々しく記憶にとどまっている。
スパイラルあたりでポストモダンに偏りを見せた時期もあったがやはり一目でわかる個性は際立っていた。

新国立競技場問題では矢面に立たれたが結局ザハハディットには遠く及ばない陳腐な競技場が出現してしまったことはどのように身に映ったことだろう。
若いころから私淑した建築家が次々と他界しやはり時代が刻々変わっていくことを実感した。

ご冥福をお祈りいたします。合掌。