2026-05-02

カメラと並んで、オーディオにも長年親しんできた。

レコードを例に取れば、盤面に刻まれた溝を細い針が振動として受け止め、電気信号に変えて増幅し、スピーカーを通じて音を再現する。一方の写真は、光を撮像素子で受け止め、電子データに変換し、再びモニターなどへ映し出す。アナログからデジタル媒体を経て再現へと至るプロセスは、この両者で非常によく似ている。

ただし、楽しみ方の作法には違いがある。オーディオの世界では、もっぱら「後加工をしないこと」が良しとされる傾向が強い。対して写真は、現像という後工程を経て、自らの手で絵を作り出す感覚がある。この「創造的余地」の有無こそが、両者の醍醐味を分かつ点ではないだろうか。

かつて、日本製のオーディオ機器は綺麗な音を奏でる一方で、どこか元気に欠ける印象があった。対して海外製は、一癖あるものの独特の魅力を放っていた。私が50年以上愛用しているJBLのスピーカーも、その荒々しさと生命感あふれる音が気に入っている。

現在、カメラにおいても純正レンズを含め、いくつかのメーカーのユニットを併用している。同一条件ではないため断定は禁物だが、画質の傾向にはそれぞれ明確な「色」があるように思う。

SONY純正の隙のない描写に対し、TAMRONはどこかウェットな情緒を纏う。そしてSIGMAは、微細な線に至るまで徹底して解像を追求するストイックさが際立つ。

興味深いのは、これらを「DxO PhotoLab 9」などで後処理すると、メーカーごとの出自が曖昧になることだ。強力な補正と現像プロセスを経ることで、最終的には自分好みの画質へと収斂していく。

素材の個性を楽しみつつも、最終的には自分の感覚で調律する。この「画像遊び」の懐の広さこそが、今の私の楽しみである。