最近、二本目となるSIGMAのレンズを入手した。 このメーカーは、福島県磐梯町の工場で一貫生産を基本としている。 海外工場での組み立てが一般的な風潮の中で、これは稀有な存在である。
実用品であればコストパフォーマンスを無視できないが、これは趣味の世界の話である。私は日本国内で製造される価値を大切にしたい。 工場は、これから雪に閉ざされる福島県の山奥、会津地方に立地している。もちろん、鏡胴をはじめプラスチックや石油化学材料によるところが多く、電子部品も海外調達されたものかもしれない。しかし、とにかく、外箱に誇らしく「AIZU」の文字を表すブランディングに惹かれるのだ。
日中関係がぎくしゃくしている現在、威勢の良い発言をしてみたところで、私たちはすでに中国製品に取り囲まれ生活している。また、中国からの来日観光客に依存している分野の職業もある。 もともと安い製造コストを求めて技術移転をした相手国に、立場が逆転していることを冷静に受け止めなくてはならない。このような情勢下でも、国産にこだわり続けるSIGMAへの敬意を忘れるわけにはいかない。
もちろん、心情的に惹かれているだけでは済まない。このレンズから作り出される端正な画像は、これからのカメラライフをより豊かにしてくれるものと信じている。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。