最近、撮影時の設定はMモードにしていることが多い。

Mモード(マニュアルモード)とは、カメラの設定をカメラ側に任せるのではなく、絞り(F値)、シャッター速度、ISO感度をそれぞれ撮影者が自ら設定する方法である。もともとカメラは、撮影条件に応じてこれらの設定を自動的に行うAE(自動露出)機能を発展させてきた。

しかし、デジタル化されたことにより、大きく変わったのは、フィルムのように感度が固定されることなく、撮影途中でも任意に変えることができるようになったことだろう。

絞りは写真表現にとって非常に大切な操作である。被写界深度、すなわちピントが合っている範囲を調整することで、画面上のテーマ(主題)を作り出す機能だ。また、シャッター速度は、画面の動きの表現方法を決め、動きを一瞬で止めることも、意図的に流すこともできる。

ISO感度の調整がフィルム交換という方法に縛られていた時代は、露出の決定を絞りかシャッター速度のどちらか一方に委ねるという制約があった。しかし、デジタル化によって、絞りとシャッター速度をそれぞれ最適化し、ISO感度で最終的な露出を調整することが可能となった。ただし、すべてが自由になったわけではなく、高感度に設定することで画質が低下するという副作用は依然として発生する。

私がMモードを選択するのは、やはり感度をある程度犠牲にしても、意図した画質(露出や被写界深度、ブレの表現)が得られるというメリットが大きいと考えるからだ。

私の使用するα7Ⅳには、上部右側に絞り、シャッター速度、ISO感度をそれぞれ調整するための独立したダイヤルがついている。これはα7Ⅲから進歩した点であり、ISO感度の調整が格段に便利になった。

初期設定(デフォルト)では、前側が絞り、手前側がシャッター速度の調整ダイヤルだったが、私はこれを逆にして設定している。機械式カメラではこのように設定を入れ替えることはできない。これは、私がシャッター速度を最も頻繁に操作するダイヤルだと認識しているためだ。

撮影時の設定は、絞りをF8.0からF11程度に設定することが多い。これに対して、被写体の動きや風の影響などを加味してシャッター速度を調整する。露出はEVF(電子ビューファインダー)の状態を頼りに調整し、AE機能は意図的に無視する。そして、最終的な微調整はRAW現像に委ねる、という流儀で撮影を楽しんでいる。


💡 レンズと操作性に関する補足

 

現在使用しているSIGMA ART 24-70mm F2.8 DG DN IIには絞りリングが鏡筒についているが、他のレンズには付いていないことが多い。そのため、カメラ側の操作方法と食い違いが生じ、かえって使いにくいと感じる。他のレンズに交換した際に操作で戸惑ってしまうのだ。

一般的にEVF(電子ビューファインダー)にはオールドレンズなどを除き絞り値が表示される。レンズ側で絞り値を変える操作方法は、フィルム時代の名残なのかもしれない。

Mモードを使うことによって、私は撮影の自由さを格段に楽しんでいる。