今年の参議院選、群馬の結果は衝撃的だった。総理大臣を多く輩出した群馬県で伝統的な自民党の候補者が全くの政治素人の若い女性に追い上げられ辛くも逃げ切ったという現象。
かつての自民党の組織力という神通力が失われ、新メディアの威力を見せつけた。情報の真偽性はともかく、自民党の金銭感覚がネット上にさらされ、庶民の日頃の不満がそれを見逃さず一揆がおきてしまったということかもしれない。
にもかかわらず、自民党内では権力闘争で足の引っ張り合いが止まらず、金銭感覚のおかしい輩が温存されている始末。
自民党内の論理と一般庶民の論理の分断が極めて明確化された結果といえる。

敗戦の責任を負って辞任会見する石破首相の記者会見の模様を視聴した。きわめて筋の通った会見だった。党内で少数派であるがために自分のやりたいことが調整のための妥協でできなかったというような言葉が正直に今の気持ちを伝えていたのではないか。

曲がりなりにも選挙で選ばれた代表者である。権威主義ではない国の話である。選んだ以上全員で支えていかなくてはいけないのでは。選挙の敗北はやはり旧態依然とした永田町の内部構造の異常さに一般庶民が気が付いたことに他ならない。
もはや選挙のたびにこの変化は深化していくものと思われる。NET社会の流動性はもはや地縁、血縁、仕事上の上下関係で縛りことはできないであろう。
世襲というものが続くのも周辺の既得権益を待ることで利益を得る層があるからだ。世襲の有利さはNET社会では希釈していくことだろう。

ある種の危うさは感じる。しかしもともと民主主義というものはそういうものだ。

単なる現状の不満を口にするだけで、現状は何も解決しない。健全な成長のための節度ある政権運営を今以上に望む。