病のことを淡々と客観的にお話されていたのが真新しい記憶の中にあります。
この冷静さこそが建築家の資質と表裏一体のものであったのでしょう。
残念です。

建築家という職能は欧米のキリスト教を背景とする文化によって育まれてきたものであり、明治期に導入されたといっても日本古来の文化との整合性が真剣に問われないまま現在に続き「建築デザイナー」「建築士」と周辺の職業と混同ないしは誤認されたままになっています。
はたして日本における建築家の必要性、あり方、生き方を深く考える機会を持つことを忘れてはいけないと考え、齋藤孝彦さんに教えを請う機会に参加してきましたが、これからは自らがもっと深く考えていく時が来たようです。

改めて衷心よりご冥福をお祈りいたします。