
群馬県立館林美術館で催されている「デンマーク・デザイン」展を見に出かける。
素朴で素材の味わいを残しながら機能的なデンマークのデザインはいつ見ても新鮮だ。

やはり椅子の展示が多くの部分を占めていたが、床座の生活ではない彼の地では建築との接点としてとても大事な要素なのであろう。
3本足の椅子も平滑ではない石の床に馴染むためだと聞いたことがある。貴族社会のためのものではない生活の道具の姿がある。
一方ロイヤルコペンハーゲンのような華麗な食器もまた違った一面を見せる。

美術館は第一工房、高橋靗一の2001年の作品。細部まで神経の行き届いた力作である。JIAの建築セミナーの講義で一度だけお話を聞いたことがある。
大阪芸大の野口ホールなどのあまりにも精密な打放しコンクリートとは全く違った金属と白い壁の構成であるがあくまで精緻なディテールが新鮮だ。
デンマーク・デザインのストイックな表情とよく合っていた。
最近のお菓子の空き箱に色紙や割り箸を貼り付けたような唐突なデザインの建物ばかりで辟易としていたところ、展示、建築とも心地よいひとときを過ごせた。
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