天気予報通り、午後から小雨。今もわずかばかり降っている。雨だれの音も聞こえる。午後所用で外出したら刈り入れ間近い麦畑に出会う。麦秋である。
稲とは違いまっすぐキリッと立っているのが初夏らしい。

1951年の小津安二郎の名作「麦秋」のタイトルを過ぎに思い出す。自分の生まれる前年の映画だから当然映画館では見ていないがDVDで観ることは出来た。
戦前の暮らしぶりも引きずり、戦後の復興期の活気も新しい行き方も感じられる画像が好きだ。カメラアングルも少し低めの芝居を撮しているような静かなカット割りも好い。
中流以上の家庭であろう、立ち振舞や言葉もきれいだ。美しい日本がそこにある。

愛読書の「ビッグコミックオリジナル」に今注目されている作品がいくつかある。「昭和天皇」「赤狩り」そして自分的には「新黒沢」である。
天皇陛下の政治利用、単なる損得勘定、付和雷同の国民感情。ルール無視の競争。等々、どのように捉えられるかは読者の側の判断であるが現代の問題にこれほど符合している作品はない。こちらは最近の事象から感じるのだが。