バーというところに出入りするようになったのは前橋市本町二丁目にある「スコッチハウス アップル」が最初だった。
マスターは自分の休みの日には常連を誘って飲みに出ることがあった。もちろん上がりは自分の店なのだが客の分はもちろん自分の分まで必ず払っていた。
自分の店に支払う。このけじめの潔さに驚いたものだ。若い頃に家業が傾いて苦労した話を聞いていた。金銭の怖さを充分に体験してきた結果がそうさせたのだろう。
個人営業だと経費と利益の区別がつかない人もいる。レジの中の現金を持ち出しても文句を言われないのかもしれない。
売上はそんなものではない。ただ預かっているに過ぎない。仕入先への支払いや給料の残りが利益なのだ。

つまりリーダーの条件とは「公私混同」しない自分への厳しさだ。なかなか貫徹できないことでもあるがこれが出来て尊敬されるリーダーとなる。
いろいろな事情があるにせよ結果が全てだ。偶然そうなったのかもしれない。

「李下に冠を正さず」ということわざがある。どんな言い訳をしても疑われるようなことをしてはいけないのだ。
細心の注意を払うことによって正しい行いを示す。これもリーダーの条件であろう。

今まさに右も左も真っ暗闇。周囲の不穏な情勢下、この国は大丈夫なのか。