
長年お世話になり、昨年10月に引退された建築家の石神井公園に程近いご自宅に暮れのご挨拶に伺う。
趣味の良い調度に囲まれて静かにお暮らしの様子。
アトリエでの鋭い雰囲気とは違い穏やかな表情。仕事を成し遂げた安堵感がそうさせるのだろうか。もっとも話される口調、声色は全く変わっていない。
身の回りの世間話に終止した。初めて奥様ともお話することが出来た。
20年前にあるご縁で仕事をお手伝いさせていただいた。本郷にあった事務所には以降度々顔を出させていただいて、お忙しいのにも関わらずたくさんのことを教えていただいた。
また普段目にすることも出来ない豪邸をご案内していただいたこともある。今の仕事に少なからずの影響を受けることになった。
建築家が邸宅の仕事をしていた時代の少ない経験者であったと思う。「日本で一番良い物がどこにあるか施主から教わった」という話。田舎暮らしには到底縁の無い話である。
文化の奥行きの深さを建築を通して教えていただいたことは自分にとって大きな糧となった。
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