午前中はJIA住宅部会のセミナーにスタッフとして参加。新宿OZONE7階の会場で寺山実さんの講演のコーディネーター役を務める。
演題は「温熱環境」、目に見えない空気の話しで雲を掴むような話にならないようご苦労をかけた。
室内空気環境の快適さとそれを支えるエネルギーの使用の節約という実に現代的な課題の話でもある。

一般の方に関心の低い分野であるが現在非常に大切なテーマであると思う。
インターネットで情報をあさることは出来てもこれら情報をつなぎ合わせるのはそう簡単なことではない。
表面的なプレゼンにならないよう、基本に戻って説明しようとしても専門用語そのものを噛み砕くというのもまた一筋縄ではいかない。
正に修行の場である。

昨日は登録建築家制度に関する会議で上京と二日続けて新幹線となった。
新前橋駅で顧客の方とご一緒になり大宮まで雑談をしながら過ごす。
明日の選挙の話題にも触れる。
「寛容」という言葉がいま忘れられようとしている。自己中心的な行動があまりにも多すぎる。
独りよがりの非行が全世界で起こっている。これは人類が幼児化しているのではないか。
自分の思いとおりにならないとすぐ切れるという事象があまりにも多い。
政治屋のなかにも自分勝手をやりたいがために長年積み上げてきた努力を一蹴しようとしている幼児がいる。
とても将来をゆだねる気になれないが無力感を吹っ切りたい。

新宿からJRを乗り継ぎ久しぶりに高崎駅0番線のホームに立つ。
下仁田に輪行して以来5年ぶりくらいだろうか。
以前祖母や叔父、叔母一家が「山名」に暮らしていたので季節の節目には父とよくこの電車に乗った。
もちろん現代の車両ではないが。典型的な地方私鉄ローカル線ではあるが乗車した車両はなんとローレル賞受賞の1000系新造車だった。
京王線3000系お下がりのみの上毛電鉄と違い、複数の車両形式が在籍しているのが上信電鉄の魅力でもある。

上州富岡駅で下車、新しい駅舎の木製羽目板はもう雨で薄汚れている。高すぎる庇は横殴りの雨にはまったく無防備だ。
古いホームの上屋はレール構造。駅舎らしい駅舎のたたずまいが好きだ。
レンガは富岡製糸場とは色身が違い、かつ積み方もフランス積みではない。赤レンガで名高い富岡製糸場の玄関口にはやや不釣合いの感が強い。

新築祝いに呼ばれた。一ヶ月ぶりに建築主ご家族と対面。工事中は毎週会っていたので久しぶりという時間の流れを感じさせられた一瞬だった。