
渡辺翁記念会館とカトリック幟町教会 世界平和記念聖堂の見学の機会を得る。
いまさらという気持ちともう一度見たいという複雑な気持ちではあったが双方ともすごい。
村野の力もさることながらこれを支えた職人の腕に嫉妬を覚える。

昭和10年の作とすると佐藤功一の群馬県庁、群馬会館とつい比較してしまう。
タイルは昭和5年の欧州旅行のあとであることからストックホルム市庁舎やハンブルグのチリハウスなどの影響を感じる。

人研仕上げにより仕上げられた壁画や装飾各所に見られる鷲のモチーフの装飾は丹下健三などがコルビジェの強い影響を感じるのに対しロシア構成主義やドイツのシュペーアやシンケルの影響を感じる。
やはり日本近代建築の本流とは距離を置いている。

世界平和記念聖堂は晩年の八ヶ岳美術館にも通じるテクスチャが魅力的である。
大きな建築であるにかかわらず空間の豊かさと隅々までコントロールされた細部を作り出したエネルギーに不気味ささえ感じる。

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