
コピーアンドペースト
複写、貼り付け
コンピュータのコマンドのことだ。
私の建築の勉強は私淑する建築家の空間を体験し、その感動の理由を考えることから始まった。
上京し、様々な近代建築を徒歩で廻った。さらに夜行列車で京都にも出かけた。
また県内に残る民家を見て廻った。
咀嚼して自分なりに解釈し、かたちを決める行為に加える。
鉛筆書きの時代。複数のためらいを持った線で書き上げていく。
偶然性も伴う行為。
現代は数値でいきなり書き始める時代。
建材メーカーからも多くのデータが提供されている。
次第にこれらに誘導される図面になりそうだ。
自己マンネリの危険もある。
前の仕事で使ったデータをそっくり次の仕事に使用することは可能だ。
一期一会、作品ごとに0から考えることを思い起こしたい。
1964年の亀倉雄策のオリンピックのポスターの潔さはどうだ。
敗戦国が国際社会へ復帰するために堂々と日の丸をシンプルにあしらったデザインだった。
なぜオリンピックを開くのか目的意識がはっきりしていた日本。
いまオリンピックを開く現実的な理由があるのだろうか。
クーベルタン男爵の思いとはうらはらにスポーツビジネスの興行の場と化した現代のオリンピック。
地方は東京への工事集中に材料、人材を奪われそうでなくとも苦しい経済を疲弊させている。
福島第一は崩壊への時計の針を淡々と進めている。
なんともため息の出ることだ。
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