
建築写真家の齋部功さんから「縁(えにし)―40年目の川崎河原町団地 記念展」のご案内をいただいたので炎天下川崎市を訪れる。
この団地の経年変化を調査研究してきた東大・大月研究室の研究成果と建築写真家が団地の人々の暮らしの変化を撮った写真が団地の商業施設のアーケードの柱に展示された。
40年前に作られたこの団地は全15棟、3500世帯団地という巨大な団地である。
大谷幸夫を中心としたグループ設計に携わったが経年劣化と3.11の教訓を生かし、耐震補強工事を行なったのだ。
川崎駅にまで15分強という立地から新たに入居を希望する若い人も少なくないとのこと。
夏祭りにも40年経った団地にもかかわらず幼児連れの姿も目立った。
高度成長期に労働力の大量供給のために作られた団地である。
巨大なメガストラクテャーと個の存在の表れである祭りの提灯の対比に現代の人口集中による地方の疲弊の原点を見ることも出来る。
救いはきわめて人為的に作られたコミュニティーが成熟して継続していることである。
住まいは住まい手の幸福のために存在して欲しい。工場ではないのだから。
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