
沼田市街は利根川と片品川の合流点にそびえる河岸段丘の上に発達した。
このため市街地に入るにはいくつかの街道があるがいずれも結構な急坂を登ることになる。
一番馴染み深いのは「遊覧坂」と言われる道だが記憶に残るのは沼田駅前からまっすぐ市街地に登る「滝坂」だ。
幼いころ祖父に仕事のお供に沼田市の「荒木屋」さんに出かけたことがある。
沼田駅で下車して滝坂を登ったのであろう。不思議な階段に出くわした。
駅の跨線橋のような体であるが当然線路はない。

おそらく雪が降る冬季の降雪対策で設けられたものと思われるが、坂より階段のほうが楽なわけではないが安全であることは間違いない。
今日も階段の屋根の軒先にはつららが下がり、足元のグレーチングは凍っていて上ばかり見ているものだから滑って危うく転倒するところだった。
幼いころ、祖父にくっついてあちこちお供をした記憶が残る。
東京ではアイスキャンディー、また沼田ではクワガタムシと、余録に預かった。それぞれ妙に記憶に残る。
この屋根付き階段もだいぶくたびれているが昭和30年代中頃の記憶に重なる。
出張して普段暮らしていない町で不思議なものに出会うことが出来るのも楽しいものだ。
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