「ゆかりは古し貫前神社」上毛かるたにそう詠われている。
今日は上州一ノ宮の貫先神社に参拝する。
昨日と違い、晴天で暖かい。小学校に設えられた駐車場から石段を登り、そして下って本殿のある不思議な空間構成の社に着く。大勢の参拝者でにぎわう。GTVのカメラマンが賽銭箱の向こう側から執拗にビデオカメラを向けていたがやはり神社という場所から考えると神様にも参拝者にもかなり失礼な印象。

祭神の一人「姫大神」は養蚕機織の神様で甘楽郡に展開していた渡来系の人たちと関係の有った部族の存在を感じさせる。赤城神社より生糸を譲っていただいた代償に上野一ノ宮の地位を譲らたと神話にもあることから古代において相当に勢力であったであろう。

折りしも旧富岡製糸場が国宝、世界文化遺産に決まったことと深い縁を感じる。
古代より続く神社の歴史はじっくりと調べてみたい。

神道はもともと自然崇拝、精霊崇拝の原始宗教の範疇に入るらしい。
大陸から仏教が入り、国家の戦略に組み込まれるようになり、複雑になってきた。
さらに明治以降の国家神道は本来の性格を失っていく。

神話の多くはかつて存在した部族への怖れを神社に祭ることによって、非征服部族を慰撫してきたともいわれている。総社神社がある。こちらは各地に存在した神社を合祀した。このように古代に存在した部族の抗争の歴史は非常に興味深い。
歴史はいつも勝者によって記録される。失われた歴史のヒントが神社にかかわる神話「神道集」に見え隠れして興味深い。