ミノルタ MCロッコール35mm f2.8

社会に出て最初の大きな買い物は一眼レフカメラだった。
建築の勉強ではまず実際立っている建築を見ることから始まる。そこで記録のために必須となるのがカメラというわけだ。
まだ白黒フィルムが建築雑誌も一般的な時代。ネオパンSSとかトライXとかいうフィルムであったと思う。
ニコンは当時やはり高かったのと持ち前のへそ曲がりとの相乗効果でミノルタを選んだ。
先輩の何人かが使っていたことも後押しをした。

ミノルタのSRT101というカメラにMCロッコール35mm f2.8の組み合わせだった。
建築を撮ることが多いので広角レンズとした。もっとも中途半端ではあったが。
何本か交換レンズも購入し旅行のお供をした。

絵画で師事していた小見辰男先生が欧州旅行をされた際、カラーリバーサルフィルムの欧州土産の映像に感動してしばらくカラーリバーサルフィルムを使った。
そして時代が変わり、オートフォーカスのカメラに変わり、そしてデジタルカメラへとめまぐるしくカメラの変わった。


ミノルタ MCロッコール135mm f3.5

古い機材もしばらくしまい込まれたままだったのだが、最近になって古いレンズも使えるカメラが有ることがわかり、さっそくイタズラ心が首をもたげた。カメラはミノルタの流れをくむSONYのNEX6を選ぶ。
普段使いにはAFズームを使うことにしたが古いレンズもアダプターを介して使うことが出来る。
40年以上使いっぱなしで20年以上放置してあったのでどうだろうと思ったが結構ちゃんと映る。
最新のツイアス仕様のSONYレンズと比較しても遜色ない。(いわゆる贔屓目)。


SONY Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS

忙しい特はAFは大変ありがたいものだが意図しないところにかってに合焦していまうのもおせっかいでうっとうしい。
MFは合焦するまでグリグリ合わせなくてはならないがハッとする像がファインダーに浮かび上がった時は本当にウキウキする。

最初にカメラを手に入れて覗いたファインダーの記憶が蘇る。
当時借用して使ったことがある135mm f3.5の中古をネットオークションで購入してしまった。
時間に追われる生活の中でファインダーを覗いて合焦するまでじっくり観察するのも良いものだ。


ミノルタ マクロMCロッコール50mm f3.5

コルのサボア邸を見学した時、高校生の団体が先生の指導ですべてスケッチをしていてカメラを取り出さなかった。
もちろん我々の団体はカメラカシャカシャである。はっとした。カメラで撮った記憶などすぐ忘れてしまうものだ。
AFの便利さも大事なものを見落とす危険がありそうだ。

便利には落とし穴。じっくり、しっかり。