今日、某全国展開のTVでもおなじみの餃子が売りの中華料理店でラー油さしのビンを落とす。ズボンがラー油まみれ。このビンは蓋が上から差し込まれているだけの構造で蓋をつまみあげたらビンごと持ち上がったまでは良かったのだがスットぬけてテーブルに落ちる。
幸い隣の席までは飛ばなかったのがせめてもの不幸中の幸いだった。

間抜けな話ではある。
しかし不特定多数の利用者が使うのにはやや危険な形だ。
調味料入れは液が下に回らないディテールも重要だがこぼしやすいのも困ったものだ。ラー油がはねて目にも入る。これは大変痛い。床一面ラー油だらけ。
店員が後始末を手伝ってくれたがやはりばつが悪い。

中村好文さんが設計したレストランに行った。トイレの小物置き棚に落下防止のためのちょっとした突起が付いていた。4mm程度の板がカウンターに埋め込まれているのだ。
氏は講演会の中でコルビジェのサボア邸の窓台水切りに溝がきってあって雨水がたれて外壁が汚れないように工夫してあることや厨房のモルタル流しに石鹸置き場のためのくぼみがあることなどを指摘していた。
サボア邸をそのような切り口で見る建築家は少ない。

このレストランをはじめこのような細かいディテールが随所に発見でき大変刺激を受ける。
建築は人間の生活とともにあるのだと改めて考えさせられる。

ラー油さし一つでもおろそかには出来ない。
粗相からの教訓である。