万世橋の交通博物館が移転のため閉館と聞き最後の見学に行ってきた。40年以上前に祖父に連れられ行って以来何度目だろう。

子供心に高崎で機関車をSL(C-58)からEL(EF-55)に替え、さらに多分宮原でもう一度変えて上野に着いたことを覚えている。山手線もまだ国電と言った時代、こげ茶色の車体の電車が行きかっていた。

やがて上京するごとに気がつくと車体がカラフルになっていき鉄道への興味も薄れていったが、妙に半円の階段室やレンガの壁が建築の道に進んでからは気に入っていた。動物の息吹のように、あえぐように黒煙をまき散らかしていたSLの時代はとっくに過去のものになってしまった。

新しい博物館はきっとりっぱなものになるのだろう。でも自分にとっての鉄道、東京は博物館と一緒にきえていってしまうのか。