東京都庭園美術館の夜間公開があるというので合わせて近くの旧国立公衆衛生院の建物を見学に出かける。
昭和13年、ロックフェラー財団の支援もあって建てられたといわれる建築はいわゆる内田ゴシックと呼ばれる東京大学の校舎と共通する意匠。敗戦の日に戦前の日米関係に思いをはせながらの見学は平和のありがたさをかみしめる見学でもある。

東京都庭園美術館は旧朝香宮邸を改装したもの。旧華族の屋敷はアールデコの館とも呼ばれ、アールデコ様式を今に伝える建物そのものが美術品のような存在だ。当主の朝香宮は陸軍大将まで務めた軍人ながら戦後は表舞台からは身を引き、外務省や迎賓館として使われたのち改修され現在に至る。
真夏ということで酷暑を覚悟で出かけたが樹木が多いせいか吹き抜ける風が心地よいくらいだった。やはり東京、見学券を求める人々が長蛇の列。

それでも中に入るとそれほどの込みようではなく、いつもの展示と異なり、建築そのものが展示物、特に照明器具の輝きはやはりこの時間でなければ味わうことはできない。アールデコの装飾を堪能することができた。

【参考資料】小林彰太郎風リライト
東京都庭園美術館が夜間公開されるというので、近くの旧国立公衆衛生院にも足をのばした。
この建物は昭和十三年、ロックフェラー財団の支援を受けて建てられたと伝えられている。
設計は内田ゴシックと呼ばれる東大校舎群と同じ系譜にあり、端正で重厚な造形が時代を物語っていた。
敗戦の日に訪れたこともあり、戦前の日米関係を思い起こしつつ、平和の時代に歩むことの意味を改めて噛みしめる。
庭園美術館は旧朝香宮邸を改修したものだ。
アールデコ様式を忠実に伝える館は、家具や調度とともに空間そのものが美術品である。
かつて陸軍大将を務めた当主が暮らした屋敷は、戦後しばらく外務省や迎賓館として用いられ、
時を経て美術館へと姿を変えた。歴史の流れがそのまま壁や窓に刻み込まれているように感じられる。
真夏の酷暑を覚悟して出かけたが、庭園を渡る風は意外なほど涼やかだった。
入館を待つ人々は長い列を作っていたものの、中に入ればほどよい落ち着き。
建物そのものが展示物となる特別な夜、照明器具の輝きは闇に映えてひときわ美しく、
アールデコの意匠を存分に堪能することができた。
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