今年一番深い色のノコンギクを見つける。
栽培種の大輪の菊と異なり、路傍にひっそりと地面を這うように咲いているので見過ごされがちな花である。

可憐な小さな花ながら結構たくましく道路管理のための下草刈りにあってもまた来年咲く。
伊藤佐千夫の小説「野菊の墓」の一節「野菊の如き君なりき」の野菊はノコンギクのことではないかと目されている。
薄紫の花弁はたしかにはかなげな少女の面影と重なるものがあるということなのだが、結構色っぽくも思える。